TDS(ツールド・サパ)報告

行先 SAPA
日時 2008年10月10日(金)〜12日(日)
参加メンバー 4名(まっは・漏れ屋・播磨王・雨ダスさとう)
お天気 晴れ(出発時のみ何故かにわか雨)
走行距離 70km(Laocai-Sapa-Laocai)山岳コース
オプションでサパから往復4kmの激坂コースあり
皆の感想 TDTより楽だった!

ハノイ〜ラオカイを寝台車で行く
2008年10月10日、仕事を終え身支度を整えた参加者達がクラブハウス「牛若丸」に集合。
各自腹ごしらえを終え、午後8時過ぎに自転車を漕いでハノイ駅に向かう。

ラオカイ行き夜行列車が出るハノイB駅には20:30頃到着。牛若丸から一緒に走って来て
くれたサポーターの山崎さん、そしてハノイ駅に態々来てくれた土岐さんからお見送りを受ける。
土岐さんからは差し入れに「蓮」のカツサンドをいただく。しかも、出発式のために大きな
クラッカーを持って来てくれて、駅前の人でごった返す広場で「パ〜ン」と結婚式見たくクラッカー
で送り出し!なんだか照れくさい。

20時40分、播磨王の手配した旅行会社の人が現れる。30代のおばさんだが、何故か子供を
連れている。列車に自転車を積み込む世話をしてくれるらしいが大丈夫か???案の定、
播磨王に荷物を持たせたり子供の世話を押し付けたりしていた。しかもその子供が播磨王に
やけに攻撃的!(笑)

そのおばさんを先頭に改札を抜け、さあホームへと言う時に、雨が降りだす。
「えっ、雨なんか降る気配なかったなのになァ、、、」
まっつは氏と播磨王の冷たい視線が雨ダスさとうと漏れ屋に注がれる!
いやいや、出発時の応援の雨だって!ご愛敬!(by 雨ダス集団)
雨は直ぐに止んだが、全くタイミング良く降る雨もあるもんだ!(笑)

さて、ここでハプニング発生!我々の乗る列車はハノイ21:55発のSP3号なのだが、
おばさんが向かったのはLC号という超ローカル列車。どうなってるんだと聞いてみると
なんでもSP3号の荷物車は一杯なので自転車はLC号に積み込むみ、ラオカイでその
LC号が到着するまで約1時間待っていろとのこと!!!

ちょっと待て!そりゃないだろ?人間と自転車が一緒に行けないのは凄く不安だし、
本当にLC号が1時間後に来るかも不安。第一ラオカイ駅からサパに向けての出発が
1時間も遅れることになる。ただでさえラオカイ〜サパは日帰りの行程だ。時間がない!
しばらく旅行会社のおばさんと押し問答、そして車両係員と交渉もしてみたが埒があかない!
渋々可愛い自転車をLC号に預けてSP3号に乗車する。

我々の乗ったSP3号はハノイを21:55に出てラオカイ(中国国境駅)に翌朝6時着
294kmの距離を約8時間もかけて走る遅い列車だが、10両を超える長い編成には
ホテルや旅行会社が独自に改装した豪華な寝台車両が付いている。我々の乗った
車両は豪華ではないが、一応2段ベッドが2組の一部屋4人個室でドアを閉めてしまえば
貸し切り状態。乗車が完了すると早速酒盛りの開始!恒例の「テキーラ勝負」も行いました。
いつしか気がついたら列車は既に走りだし、ロンビエン橋を渡っていました。

テキーラ勝負の様子はこんな感じ。書くと長くなるんで写真でどんなんだったか想像願います。


テキーラ勝負のせいだろうか、あっと言う間にラオカイ到着。と言うか車掌から
「ラオカイに着いたからさっさと起きて降りんしゃ〜い!」
と怒られて起床、そして下車!ん〜なんだか二日酔い気味!(爆)

ラオカイ〜サパを自転車に乗って上る
列車から降りて、旅行会社から指定された駅前のレストラン兼ツアーデスクへ
向かう。ここで朝の身支度をする。牛若丸から買ってきたおにぎりを食べて
サパへ上る体力を付ける。

7時過ぎ、LC号が着いた模様。ツアーデスクの人が駅から自転車を代行で持って
来てくれた。なかなかサービスがいいじゃん!

さて、出発前のチェックを整え、8:04にいよいよサパに向けて出発。
ラオカイの街からサパまでは自転車のメーターで片道34km。ラオカイの標高は80mで
サパの標高は1500mなので標高差1420mのコースである。ラオカイから約9kmは
アップダウンは若干あるもの平らな感じの道だが、サパまで25kmのキロポストが
見えた辺りから山岳コースに入る。勾配率などの詳細をまっは氏が出してくれたので
ご覧頂きたい。

距離(km) 標高(m) 勾配(%)
0 81
2.5 84 0.1
5 95 0.4
7 88 -0.4
9 193 5.3
10 277 8.4
14 689 10.3
15 710 2.1
17 809 5.0
18 859 5.0
20 1045 9.3
22 1237 9.6
26 1373 3.4
27 1452 7.9
29 1522 3.5

山岳コースに入るといままで4人で隊列を組んで一緒に走るのを解除。
ここからの25kmの上りは自分との戦いで上る自分の世界だ!この先サパまでどんな
コースが待っているのか!4人とも初体験コースに心を弾ませ上っていく!

初めは5%位の坂がジワジワ、、、ジワジワ、、、そして10%の坂が登場、、、
そしてまた緩い坂がジワジワ、、、そんな感じで道は標高を稼いでいく。
道の状態は非常に良く片側一車線の2車線道路。交通量はタムダオ並み、
大型車の通行も多いが道が広いせいかさほど気にならない。

そしてこのサパ行き山岳道路の特徴なのは山をいくつも伝って上っていく
からだろうか、途中で何箇所か下り坂が現れることだ。上り口から10km走った
辺りだろうか、今から行く道が前方の山肌には明らかに目の上の方に見えてるのに、
道は下っている!しかも延々1km近く下っている。そしてその先には「えっ!」と思う様な
つづら折りの坂の連続!!!もう勘弁してよォ〜折角上って来たのに、、、ぶつぶつ、、、

(済みません!上るに夢中でそのつづら折り写真に撮ってません!)

文句言っても上り坂が下りにはなってくれない!ああ無情!
やはり目の前に現れた上り坂は上らなくてはならない。いざ覚悟!
つづら折りを上りはじめる。下り坂で少し休んだ脚にまた上りの感覚が伝わってくる!
つづら折坂の頂上付近の道路の淵に少数民族の衣裳を着た2人のカップルが
仲良くこちらを見てデート中!気になる存在だ!絶対俺のこと話題になってる!
足を付いたり、休んだりしたら、きっと恰好の笑いの餌食になってしまう!
まったくぅ〜変なところでデートすんなよ!ぶつぶつ、、、
結局、つづら折りを上ってる間中、彼らの視線を感じながら根性で上り切る!!!

坂を上り切ると少し道がなだらかになる。山肌を舐めるように走る優しい道路に
変身だ。少しホットする。

ホットしたのもつかの間、山肌のカーブを抜けるとまた緩やかだが、ジワジワと
延々と続く上り坂が待ち受けていた。俺はこういう坂は嫌いだな。目標が掴みにくい上りだ!
そんなときはただただ、、、「早くゴールに着いてビールを飲みたい!」、、、
こんな気持ちでべダルを漕ぐ!

サパまであと12m!見覚えのある数字のキロポストがお目見えした。
12q?そうタムダオの麓からゴールまでの距離。あとそれだけ上ればゴールなんだ!
少し希望と力が湧いてくる!しかし俺の脚はラオカイから既に22km、山の麓から既に
13kmも山を上り続けている、、、やっぱしシンドイ!

その後も、所々現れるなだらかな部分や、若干の下りに励ましながらやはり上る。
何だかんだで上って来ました、そして見えました。サパまで後4kmポスト。ここで先着して
いるだろう、まっは氏に「後4kmで着きます!」と自分に気合を入れる意味も籠め携帯から
メッセージを入れる。

後3km、、、ゴールまでもう直ぐだぁ〜〜
体も心からも緊張感が解れかかった正にその時!そしてカーブを曲がった時、、、
あちゃ〜出ました「坂」「坂」「坂」、、、
最後の最後に出るのか、、、しかも劇坂!(たぶん10%程度。でも疲労しきった体には20%にも感じた!)
しかも、その辺は既にサパに近く、民家も建ち並ぶ区間。そして学校帰りの
ガキどもが慣れた足付きで仲良く自転車で走ってる最中。。。
グぐぐぐ、、、やっぱし負けられない!何故か血が騒ぐ!!!
最後の力を振り絞って、学生を追い抜き、気分だけは学生の気分で坂を駆け上る!

そして、そして坂を上り切った瞬間、見えました。サパの街並み!!!
遂に着きました。ラオカイから34km、標高差1420m。車でも1時間以上かかる山道を自分の足で走破!
ゴールのサパ教会の前までラストスパート。教会前の屋台で先着のまっは氏、播磨王がビールを飲みながら
会心の笑顔で迎えてくれました。やったぁ〜着いたぞ!!!
この瞬間のこの気持ちが嬉しくて、そして忘れられなくてまた坂に上るんだなァ、、、
そしてビール!自転車に乗って目標を達し終えた後のビールは本当に美味しかった!

漏れ屋さん
今回のTDSで一番距離を走ったのは漏れ屋さんでした。と言うのも、サパへの坂を上り始めて
6km辺りで体調不良でリタイヤ。T5km走り、一旦ラオカイまで戻り、茶店で水分補給休憩。その時、
茶屋のお姉ちゃんに魅惑的なお誘いを受けたそうですが。。。その誘いを受けたからでしょうか?体調も
復活し、もう一度サパコースを最初からチャレンジ。見事サパに上って来ました。体調悪いが理由で
結果的に他のメンバーより約30km余分に走ってします漏れ屋さんって。。。やっぱし不思議な人です!

サパ滞在
雨ダスさとうがサパに着いたのは11時過ぎ。しばらく屋台でビールを飲みながら体を休める。
ふと脚を見ると脚に「塩」が付いていた。上りでかいた汗が、体を休めてサパの涼しい空気に触れて
固まったのだろうか?しかもかなりの量で見た目は食塩と変わりなし!丁度屋台で売られていた
サパ名物「焼きゆで卵」を自分の塩につけて食べてみました!

こんなに塩が出たの初めて! あっちちっ〜焼きゆで卵を剥くまっは氏


漏れ屋さんが着くまでにしばらく時間があると言うことで、サパの街を少しぶらついてみました。
サパは坂の多い街で街中いたるところに坂やら階段がありました。サパ市場を見学、それから
サパのメインストリートを歩いてお土産を買ったり、播磨王のお気に入りのお姉ちゃんがいる
喫茶店でビール(LAOCAI BEER)を飲みました。あの店のお姉ちゃん、どことなく魅惑的だったなァ〜
店でかかっていた音楽もセンチメンタルでした!


もう少し時間があると言うことで、播磨王からCATCATと言う、サパの街から一番近い少数民族の
村まで自転車で行こうと提案があり行くことに!しかしこの村、近いことには近いけど、行くまでに
恐ろしい激坂を下らなきゃならない道のり!坂を上ってやっと着いたサパの街なのに、、、
3人の意見一致でまた激坂を下ってその村に行くことにしました。詳しくはCATCAT激坂村をお読み下さい。

CATCAT激坂村

こんな激坂上りましたぁ〜

CATCAT村入口の展望茶でお茶を啜っているとまっは氏に漏れ屋さんからもうサパに着いたと
電話があり、遠隔操作で屋台のおばちゃんの服の色とか年齢とか説明してさっきまでいた屋台で
待ってるように指示!(笑)

約20分弱かけて激坂を上り、再び教会横の屋台へ戻り、漏れ屋さんと合流。その屋台で遅めの
昼食を取る。メニューはサパ名物串焼き!結構美味しかったです。

食事が終った後、まっは氏、漏れ屋さん、雨ダスさとうの3人は、サパ名物の薬草湯(Tam La Thuoc)
へ行ってみます。サパ近辺の山で採れた薬草がふんだんに調合されたお風呂に浸かれる何とも
贅沢なお風呂。薬草屋さんの2階にありました。薬草風呂に約20分入り、その後、マッサージが
セットでVND140,000(=USD8.4)。中々お得なお値段で、サパまで駆使してきた脚の疲れもサッと
抜けた気がしました。ここの店お勧めです。播磨王は友達へのお土産買いに行きました。

カンパ〜イ 今焼いてるからねェ〜 薬草風呂店にて
後ろから姉ちゃん覗いてます。


サパからラオカイへ下る
午後4時過ぎ、太陽もいよいよ沈み始める時間も迫るころ、ラオカイに向けていよいよ下り始める。
上りの時は暑かったが、下りは肌寒さを感じる程空気が冷たい!上りの時はいくら漕いでも進まなかった
自転車が、下りではひと漕ぎもしないのにどんどんとスビードを上げて進んでいく、、、
何とも心地よい!途中数か所ある上り坂(ラオカイから来た時の下り坂)も下りのスピードの
勢いからだろうかさほど気にもならずスイスイ進む、、、こんなコース、なかなかないぞ!
下り王の漏れ屋さん、あっと言う間に姿を消して下りて行ってしまった!残りの3人も雄大な景色を
楽しみながら、途中記念撮影をしながら楽しんで下りていく。ふとメーターに目をやると時速52.5km!
スゲ〜〜〜自転車でもこんなにスピード出るんだ!行きのラオカイ〜サパが2時間30分以上30分以上
かかったメンバーですが、帰りはなんと僅か1時間10分でラオカイまで下りてしまいました。(山岳部分
は僅か52分殆どペダルは漕いでない!)。車でも同じ時間かかる筈。。。やはりこのコース凄過ぎ!
そして自転車って本当にすごい乗り物です。

夕暮れをサパからラオカイに下る


最後の最後に、、、
ゴールのラオカイ駅手前2km(Song Hong=紅河)にかかる橋を時速30km位で走りながら
「今回は本当にトラブルもなく無事に終わりそうだねェ〜」とマッハ氏、播磨王と話していると、
その言葉をまさに言い終るか否やって時に「プシュ〜〜〜ゴ〜〜」と爆音が!!!
犯人は播磨王のGIOS号の後輪タイヤがパンク!!!あまりのタイミングの良さに
3人で大笑い!「ここで直していても日が暮れるし、自転車担いでラオカイ駅まで
走って来ますから、先に行ってて下さい!」と播磨王。流石だ、、、どこにそんなパワーが
有るんだ。漫画シャカリキの影響かな?そう言えばシャカリキ4巻をリックに入れて持って
来ていたよな播磨王!(爆)

お疲れ様

LaoCaiビールでお疲れェ〜 列車の窓側にはいつもビール


ラオカイ駅前の食堂兼ツアーデスクの前に先に下って来た漏れ屋さんが首を長くして待っていた。
そして橋から自転車担いで播磨王も到着。無事全行程の終了である。ハノイ行きの列車は21:00発。
まだ3時間近くもあるので、そこでゆっくりビールを飲んで体を休める。夕食はどこか美味しい所を探そう
と少し歩いたが見付からず、結局ツアーデスクの食堂で食べることに、、、味はまあまあ、、、
20時15分、駅の改札は開かれ自転車を積んで、車両に乗り込む。帰りの車両は来た時の車両より
少し天井が高くて楽だった!早速酒盛り開始。。。ビール、ワインを飲みながらサパへの上りの話で
花が咲く。そして疲れのせいか、いつしかみんな眠りに着いていた。目が覚めたのは駅列車がまだ
夜も明け切らないハノイ駅に着いた丁度その時だった。ホームのオレンジ灯が眩しかった。

                                              Report By 雨ダスさとう

TDS結果
まっは  2時間34分
播磨王 2時間27分
漏れ屋 2時間53分
雨ダスさとう 2時間55分


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